2016年1月12日火曜日

Tradosって本当に本当に本当に、どこまでいっても残念

memoQを導入して以来、

ツール非指定案件では、memoQで翻訳をしてから、メモリを一度Tradosにコンバートして、Tradosでも同じ訳文を生成し、こちらで訳文チェックを行っている。

Tradosがチェックに適しているのは、

・QA用にデータをエクスポートして、原文と訳文を上下で対訳表示ができる

のと、

・セグメント番号も同時に表記されるので、誤字脱字や文章修正の際に、セグメントの参照が容易にできる

という理由があった。


ただ、どうもこの良さを相殺してしまうデメリットがあるようだ。


まず、上付き文字と下付文字の認識が上手くされない場合があるようで、
memoQから吐きだしたメモリが完全一致するにもかかわらず、
上付き文字で入力していた数字や記号が、Tradosだと下付文字で出力されている場合があったり、
(この問題は、Tradosで訳文生成→ワードにエクスポートした際にも同じ問題があった)

何よりも問題なのは、ワードに埋め込まれているらしい、不必要なタグが、Tradosの原文セグメントにも表示されるのだが、それを訳文にも(不要であるにもかかわらず)入力しておかないと、そもそも訳文をワードにエクスポートできない、という点だ。

(エクスポートしようとすると、「タグが訳文に入っていません」という警告表示がでて、操作が強制的に中断されてしまう)


だいいち、こっちは面倒くさい作業を省いて、時間をたっぷり使える時に使おうと思って、そういうタグを入力せずに済まそうとしているのに、そこで足を引っ張るような状態になってしまうのが、大変残念。

(しかも、こういう対応方法はネットで調べる以外には、有料サポートサービスに入らないと対応できないあたりが、非常に残念。memoQは大きなトラブルは起こっていないけど、問い合わせには無料で対応してもらえる)

(なお、memoQは原文のタグが訳文セグメントに入力されていなくても、問題なくエクスポートができる(警告表示が出るが))


というわけで、Tradosでチェックしたにも関わらず、もう一度memoQを立ち上げて訳文のみをエクスポート→現在先に後処理を済ませて、細かいチェックは明日対応、という流れにしているのだけれど、


こんな流れになると、Tradosの数少ないメリットのQAツールすら、使用価値がなくなってしまう。



ちなみにいうと、原文にタグが存在すると、そのタグも含めて「100%一致」しないと、メモリは表示されないので、再利用価値もぐっと低くなる。(これはmemoQも同じなのだけど)



(ただ、Tradosを導入している会社の名誉のために述べておくと、パッケージファイルを予め支給してくれる場合は、Tradosの使い勝手は悪くはない。要するに、翻訳以外のDTP工程の有無が、訳文エクスポートや見直し、後処理に割と大きな影響を与えてしまっている、ということ。)


こんなことが今日あったので(というか、現在進行形)、Tradosってどこまで行っても残念だなあ、と、また嘆息してしまった。

非指定案件の際は、あくまでQAチェックだけをTradosを使って利用して、メモリの上書きなどもmemoQで行うのが良さそうだ。

(しかも、Tradosを使う唯一の利点が、チェック時の上下対訳表示機能だけなので、memoQでこれができるようになれば、速攻切り捨て対象になっている。まるで、並行するバス路線が雪の影響で冬期運行できないという理由で存続していた深名線のような状態。)


で、どこまで行っても残念なのは、これだけ使い勝手に差があるのに、Tradosは正規価格が10万円を余裕で超えること。

memoQなんて、正規でもその半額前後で購入できるし、それでいて動作も軽いんだから、本当にとっととデファクトが交換になって欲しい、と思う(今年の七夕は短冊に書こうかなw)




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