この本を読んでいてのけぞってしまうのは、引用書籍にフーコー関連のものが出てくるから。
(この本はめずらしく、フックがかかったところは赤線を引いて読んでいる)
例えば、
「フーコーによれば、『対象を各部分が互いに他の部分の外部にあるように分析』しなければならない」(p44)
(物クレームでの包摂範囲をどのように請求項に記載するか、という話)
いやいや、フーコーを出してきますか、と(笑)
(ちなみに、引用元はこちら
のようです)
一応学生時代に言語学をかじっていたので、シニフィエシニフィアンの対応は、明細書を読んでいても時々考えることがあるのですが、(特に仕事で翻訳をする場合、ゆらぎが生じて一概念一単語にならない場合があると、うーん、と考えてしまう)
まさかクレームドラフティングの本にフーコーが出てくるとは思ってもいませんでしたし、だからこそ、この弁理士ただ者ではないな…と思ってしまいます。
(ちなみに、ここでのフーコーは「ミッシェル・フーコー」。振り子の実験で有名なのは「レオン・フーコー」で、別人です)
フーコーと言えば、監獄の誕生が有名ですが、このあたりも学生時代に興味が出て、かじってしまいました。
もともと、なんでモダニズムや構造主義が、自分の学部で取り扱われているかは分からなかったのですが(入学前に、「このモダニズムコースだけは全く興味がない」と思っていた)、とある授業を受けてから180度考えが変わってしまって、
ロランバルト(エクリチュールの話)やラカンといった、偉人の禅問答のような思想に感銘を受けました。
今はクレームを書くほどのレベルに至っていませんが、この本を読んでいると、日本語の悪文(?)を紐解く時の考え方も知ることができますし、良い本を買うことができたな、と思います。
というよりも、かつて勉強したことが仕事に関わってきそうなので、言語学と構造主義分野も、も余裕を作って勉強したいですね…
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