2015年12月6日日曜日

厚みを築く


将棋の戦い方には、大きく分けて三つがあります。


一つ目が、白兵戦の切り合い。


二つ目が、堅さ。


そして三つ目が、厚み。



「切り合い」は、飛車角や桂馬が飛び交って、玉が薄い中で「肉を切らせて骨を断つ」指し方。


「堅さ」は、穴熊先方に見られるように、玉の周りに金銀を密集させて(おまけに戦場から遠い)、「自陣に手が回らない」ことを生かして、少々無理気味の攻めでも無理やり繋げて、勝ちきる指し方。


そして三つ目の「厚み」。


これは説明するのが難しいんですが、とりあえず下の画像を見て下さい。





この先手陣(手前。漢字が逆向きになっていない駒)ですが、「前に盛り上がって」いる感じが分かると思います。


金銀の密集具合も目につくと思いますが、それ以上に「相手を押しつぶす」ことで勝つことを主眼に置いています。


この「厚み」の勝ち方がいいところは、「勝ちやすい」というよりも「負けにくい」ところ。


正直、先手陣の玉周りの囲いは、それほど固くはないんですが、


いざとなれば、玉を金銀の近くに移動させて、手が届かないようにすることもできます。



将棋の駒は殆どが「前にしか進めない」ので、玉がスルスルと上に逃げていくと、すごく捕まえづらいんですね。


「厚み」のある陣形は、「堅さ」とは違って「駒同士の間に、空間がある」ことが特徴です。



ちなみに、穴熊とは以下のような陣形です。





小さくて申し訳ありませんが、


玉がお互いに端に寄って、ちょっとどうやって手を付ければいいかが分かりませんね。


これが「堅さ」ですね。



堅さを生かした将棋もありますが、





ぼくは現役で将棋をしていた頃、圧倒的に「厚み」を築いて戦うほうが好きでした。


駒も戦場から離れていないですし、金銀の連結も良くって玉周りに空間もある。



「勝ちやすさ」を追求するより、「負けにくい」形を作って、相手の力も利用しつつ、時間をかけて勝ちきる、


というほうが性に合っていたんだと思います。


(それに、この戦い方で勝利を味わうと、やめられなくなります笑)





特許翻訳やビジネスの複合でいうと、取引先が数社あって安定的に仕事が来る、得意分野が幾つかあって、周辺分野との複合案件にもある程度対応できる、ネットビジネスも合わせて、幾つかの収入源を確保している、という状態ではないでしょうか。



これからは金銀の連結を良くしつつ、空間も適度に確保して、一層厚みを築くことに注力します。







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