良い点
・プロジェクトファイルを途中から開いた場合(例えば翌日)、前回終えた箇所がすぐに表示される。
→Trados2014は必ず、ファイルの頭になるので、終わったところに「★」を入れて、いつも検索していた。(これはmemoQ使っていても変わりませんが)
・分節の切断と結合の柔軟性が高い。
例えば、This is a pen. This pen is blue.という文章が連続していると、
This is
a pen.
This pen
is blue.
と、間違って区切られている場合に、
This is
a pen. This pen
is blue.
のような結合が可能になる。
→Trados2014では、場合によるが、文章の切断が変なところでされている場合、Trados上で結合できない場合がある。
あと、Trados2014の場合、化合物の羅列がびっしり出てきたときに、例えば前処理で化合物名で区切ったファイルを用意してTradosに組み込むと、Trados上でこれらのセグメントを結合することはできないのだけれど、memoQだとこの操作ができる、と考えられる。
ということは、前処理を上手くすることで、訳語挿入の手間が省けるということになるのではないか。
・レイアウトの変更が可能
Tradosでもあったような気がするけど、原文訳文の窓、メモリや用語集の参照窓の位置が幾つかデフォルトで入っていて、自分が使いやすいものを選択できる。
(個人的には、Tradosはこの点で使いにくかった…)
・原文編集が容易
原文で文字化けや不要(または余分)なスペースがあるときには「ソースの編集」で修正できるのだけど、
この時に、他のソフトを参照しても、編集画面が閉じない。
例えば、PDFを参照しても、ブラウザを見ても、原文のセグメントが編集可能になったままである。
これが、Tradosだと、別のソフトを前面に持ってきただけで、編集画面が閉じてしまう。(つまり手間がかかる)
あとは、原文に出てくる不要なタグも、memoQだと簡単に削除できる。
これがTradosだと、原文に埋め込まれたタグは削除できないし、タグがあるときに変なところで分を区切ると、対応する閉じタグ(?)がセグメントから外れるからなのか、勝手にタグが増えていった。
悪い点
・セグメントの結合は、最初か最後のセグメントを起点にしてしか全選択できない。
例えば
A
B
C
というみっつのセグメントを結合しようとすると、
最初にAかCのセグメントにカーソルを置かないと、残りのセグメントを全て選択できない。
Bにカーソルを置いてしまうと、その上か下のどちらか一方にしか、選択ができなくなる。
Tradosはそうではなかった。
・「元に戻す」「やりなおし」ボタンがデフォルトで表示されない。
ツールバーの「編集」という部分を開けば表示されるけど、ワードやTradosのように、一番上の部分に付いていない。ので、ちょっと不便。
・時々原因不明のエラーが出る。
→なぜかセグメントにひらがな入力ができなくなる。(仕方なく秀丸で作業をしてコピペ)
・セグメント内で文章の順序を整えるとき、切り取り+ペーストが使えないときがある。
→切り取りはできるのだけど、なぜかペーストができなかったり。(一度別のセグメントをクリックすると、問題なくできる)
最後二つは、自分のパソコンとの相性なのかも知れません。
ただ、ここまで使ってきて、用語認識も問題なく、セグメント分割/結合も柔軟にでき、落ちることもないので、本当に優秀なソフトです。
これで作業負担が1割前後減ったのは間違いないですね。
で、ここまで来ると、もはやTradosがアミバ(北斗の拳に出てくるやつ)にしか思えないという。
2017年4月に、各種翻訳支援ツールの使い方をまとめた
電子書籍「翻訳ツール大全集」を出版しました。
Kindle版の場合、Kindle Unlimitedに加入していると
無料でご覧頂けます。
はじめまして。だいぶ前の記事へのコメント、お許しください。
返信削除私も翻訳者で、最近memoQを使い始めた者です。
こちらの記事にあった、
「・時々原因不明のエラーが出る。
→なぜかセグメントにひらがな入力ができなくなる。」
というので、まさに困っていたところで、
検索していてこちらの記事を見つけました。
memoQやPC自体を再起動しても直らないので、
どうしたものかと思っています。
もし、上記にあるような「秀丸で書いてコピペ」以外に対処法などご存じでしたら、
ご面倒でなければ教えていただけませんでしょうか?
突然の質問で失礼しました。
emi様
削除コメント有り難うございます。
セグメントにひらがな入力ができない場合ですが、memoQを使い続けて自分なりに把握した傾向としては、
①「用語の登録」ボタンを押して用語を登録した場合
②一文が長すぎる文章を修正する場合
に、ひらがな入力ができないようです。
①については、「用語のクイック登録」をすれば問題ないのですが、「用語の登録」ボタンで操作をすると、登録作業が終わった後に翻訳をしようとすると、なぜか日本語入力がローマ字入力に勝手に変更してしまうようです。
②については、たとえば訳文が「この組成物は、●ことと■ことと△を含み、●は~~を特徴とし、■は~~を特徴とし、△は~~を特徴とする」というような、5行くらいにわたる長文になっている場合、
訳文に誤字脱字があった場合に、訳文セグメントで文章を入力しようとすると、日本語入力ができずにローマ字入力となってしまうようです。
私が体験したのはこれらの2パターンですが、①については「用語のクイック登録」で対応し、②についてはテキストエディタソフトを立ち上げて、そこで修正したい言葉を打ち込んでセグメントにコピペする、という方法を取って対応しています。
もしemi様が別のケースに遭遇されているのであれば、別の対応方法があるのかもしれませんが、私には分かりかねます…申し訳ございません。