2017年2月8日水曜日

和訳と英訳、居飛車と振り飛車

僕は将棋をやっているんですけど(今でも時々やる)、


攻めの主力である飛車を、元々の位置(盤の右側)のままで使う「居飛車」と、左側に移動させて(振って)戦う「振り飛車」という戦法に、大きく分けることができるわけです。


僕は最初に覚えた戦法が振り飛車なので、ずっとこれを使ってきたわけですが、


当然ながら、お互いに飛車を振る「相振り飛車」とか、お互いに居飛車で戦う「相居飛車」という戦型もあるわけです(本当の戦型は、もっと細かく分かれますが)。


自分の場合、自分が振り飛車、相手が居飛車、の形(これを対抗型と言います)は好きなんですが、自分が居飛車、相手が振り飛車の、対抗型の反対側を持って指すのはあまり得意ではなく(でも指しやすいので好きではある)、相振り飛車はもっと苦手(お互い振り飛車党だったら避けては通れませんから)です(相居飛車は基本的に指しません)。



が、対抗型の両側を持って指してみるというのは、案外勉強になることも多いわけです。


例えば、振り飛車は駒を捌いて戦う、というのが戦法の思想の根幹にありますが、

居飛車は、普通は玉の守りが振り飛車より薄いので、普通に捌き合いになると不利になってしまうことが多い。

もちろん、穴熊という最強の囲いもありますが、普通は玉の囲いは相対的に薄いので、振り飛車の捌きを封じる、つまり押さえ込みを狙った指し方をすることも多い。


そして、これって両側の陣形を持って戦わないと、その思想というかヒントは分からないわけです。


普段振り飛車側を持って指していても、居飛車側を持って指すと自分の陣形の短所がもっとはっきり分かったり、相手の弱点も分かりやすくなったりします。


あるいは、どちらの戦型を持っても使う手筋は同じだったりするので、共通点も多い。


そういう意味では、自分はもちろん「振り飛車好き」なんですけど、居飛車側を持つことで新しい世界が見えることもあるし、勉強になることも多い。

なので、僕は基本的に和訳案件しか受けていないんですが、もっと視野を広げるために、英訳にももっと本腰を入れて取り組むのもいいかなあ、と思ったり。


将棋と同じで、反対側を持っても、普段持っている側で養った力をそのまま使うこともできるし、反対側を持って気づいたことを、普段の側に取り入れることもできだろうし…というのが読みなんですが。


問題は、そこまで投入できる時間とエネルギーを捻出できるのか、ということなんですが…


いや、でも「反対側から見てみる」って大事だと思うんですよ。


昔のプロ棋士は、対局相手の後ろ側に移動して相手側から局面を見ることもしていたようですからね。



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