金属錯体の発色の変化の話が出てきたのでいろいろと調べていたら、化合物が酸性やアルカリ性の下で、違う色を出す、というような話もヒットした。
読んでいると「二重結合の数によって呈色が異なる」というような内容があったのだけれど、なんで化学結合と色が関係するのかが分からなかったので、ちょっと調べてみた。
そうすると、どうやら化学結合のエネルギーと、光のエネルギーが関係しているようだ。
紫外線や可視光線に相当する光エネルギーを吸収すると、励起状態になってから基底状態に戻るのだけれど、その間に吸収した光エネルギーの量が、単結合や二重結合によって異なるらしい。
(これを調べて、「もしかして、赤外線スペクトルで物質の分析をする時もこの原理を使うのか?と思って更に調べてみたけれど、どうやらそうっぽい。)
しかも、共役π結合では、その数によって吸収する波長が異なるらしい。
(炭素数29個の共役構造をしたリコピンは、517nmの緑色を吸収するから補色の赤色を反射して、
炭素数21個の共役構造をしたカロチンは、450nmの青色を吸収するから、補色の黄色を反射する、とか。)
多くの二重結合が共役していると、小さなエネルギーで励起状態に移行できるから、可視光線を吸収して有色を呈するとのこと。
(→π結合が非局在化してπ結合の結合エネルギーが小さくなり、長波長の光を吸収するから)
窒素があるベンゼン環だと、酸性下では窒素の孤立電子対がなくなるから、波長の吸収領域が変化するらしい(この理由はまだよく調べられていないけど)。
配位結合になると、金属イオンと、配位する分子やイオンの性質も関係していて、配位結合のエネルギーが小さいと長波長の光を吸収し、配位結合のエネルギーが大きいと、短波長の光を吸収する。
これで反射する光が異なって、配位結合を持つ物質はいろんな色を呈色するとのこと。
なるほどな~~~。ちょっと理解が増えた。
こういうところから物理に切り込んでいけばいいのか…。
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